大統領選をにらんで、トランプ氏がさらに対中制裁策を打ち出してくる可能性があるので注意が必要です。また、新型コロナウイルスの実体経済への影響も引き続き注目すべきでしょう。

なお、国内では17日に4-6月期実質国内総生産(GDP)の速報値が発表されます。

75日線が200日線に近づき、ゴールデンクロス形成が期待される

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週に直近の下げ分を「往って来い」のような形で取り戻しましたことから、先週にはそこからの反発上昇が期待されました。

その期待通り、週初から陽線で25日移動平均線を回復。13日には窓をあけて寄り付くとさらに上昇し、直近の戻り高値である7月15日の高値(22,965円)、6月9日の高値(23,185円)も突破しました。13日には終値ベースで23,000円台を回復し、翌14日も小幅に上昇しました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。チャートの形は悪くありません。目先意識されやすい23,000円をクリアしたことに加え、直近の上値メドを超えました。6月の中旬以来長く続いた21,500円~23,000円のもみ合いを上抜け、一段上のステージに上がったという印象があります。

25日線、75日線、200日線などの主要な移動平均線が水平から上向きに転じてきました。注目すべきは75日線が200日線に近づき、ゴールデンクロスが形成されようとしていることです。

前回の両者のゴールデンクロスは昨年の9月で、その後は今年1月17日の高値24,115円まで上昇を続けました。今回、ゴールデンクロスが形成されればそのあたりまでの再上昇も期待されます。

そのためには今週まず、23,000円台がサポートされるかどうかが大きなポイントになります。下値の固さが確認できれば、24,000円台も視野に入ってきます。逆に、週初に23,000円を割り込むようなことがあれば、再度、もみ合いになる可能性があります。

下原 一晃