昨年話題になった「老後資金2,000万円問題」をきっかけに、老後に向けての貯蓄に不安を持っている方も多いのではないでしょうか。

老後資産や貯蓄額というのは非常にデリケートな話題で、会社の同僚やご近所さんなどと気軽に話す機会も少ないだけに、今の自分の貯蓄で老後の生活を十分にやりくりできるかどうかの判断はなかなか難しいものです。そこで今回は、そんな気になる年齢別の資産形成や貯蓄状況について、調査データを元に紹介していきたいと思います。

老後資金に不安を感じている人は8割近く?

今年5月に、ソーシャルレンディングを展開している株式会社LENDEXが、投資をしている40代後半~60代の男女を対象に行った「老後に向けた資産形成に関する調査」によると、老後資金に不安を感じている人は全体の約8割にも上りました。

この調査は、シニアを目前にひかえた投資経験者を対象としており、もともと資産運用や老後のための資産形成に関心が高い層であることが想定されます。そのような方々でも、老後の資金に不安は尽きないということは、非常に興味深い結果ですね。

定年前後の年代の金融資産保有額はどのくらい?

次に、2019年11月に金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」を見てみましょう。同調査では、世帯主の年齢別の金融資産保有額の中央値※(金融資産非保有世帯を含む)が報告されています。

それによると、各世代の中央値と金融資産非保有世帯の割合は以下の表の通りでした。なお、金融資産には預貯金(運用のためや将来に備えて蓄えている部分)のほか、保険、有価証券、その他金融商品が含まれています。

※中央値とは、調査対象世帯を保有額の少ない順に並べたときに、真ん中に位置する世帯の金融資産保有額のこと。

世帯主の年齢別 金融資産保有額(二人以上世帯)

出典:「2019年 家計の金融行動に関する調査」を参考に編集部作成