もし、目標通りに貯蓄できたとしても…?

では仮に、もし年初に多くの人が目標としていた下限50万円の貯蓄が毎年継続できていたとしたら、どうなるのでしょうか。今年のコロナ禍からもわかるように、子供の学費や親の介護など、人生には想定外の出来事はつきもので、毎年50万円貯めるのはそう簡単なことではありません。

また、仮に30歳から65歳まで毎年50万円ずつコツコツと増やしていったとしても、50万円×35年=1,750万円と、いわゆる「老後資金2,000万円」には届かないのです。

毎年いくら貯めるかを決める際、自分の収入からどれくらい貯蓄に回せるかを考えるのも一つの方法ですが、老後に必要な金額から逆算した毎年の貯蓄額を確認してみることも大切です。その際には、老後にどんな暮らしをするかも想定したうえで、必要額を考えることになります。

そして、足りない金額については資産運用で増やしていくという選択肢も、現実的に検討していく必要がありそうです。

おわりに

「老後2,000万円問題」とともに資産運用の必要性が注目されていますが、前述の株式会社じぶん銀行の調査でも「資産運用を行っていますか」という問いに対し、「行っている(37.6%)」「行っていない(62.4%)」となっており、まだまだ資産運用には手が出ないという方が多数派のようです。

普段は忙しい方も今回の「おうち時間」を機会に、将来の資産形成についてじっくり考えてみるのも良いかもしれませんね。

【参考】
・株式会社LENDEX「老後に向けた資産形成に関する調査
・金融広報中央委員会(知るぽると)「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)
・株式会社じぶん銀行「資産運用に関するアンケート

川上 俊介