シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は牛丼チェーン店「松屋」他を運営する松屋フーズHD(9887)の、2020年7月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。

直近の月次実績

2020年8月3日に更新された松屋フーズHDの速報ベースの2020年7月既存店売上高は、対前年同月比88.1%。内訳は客数83.6%、客単価105.4%で、客数減を客単価増でカバーできずマイナス成長となりました。

また全店売上高も90.1%と、既存店及び全店ともにマイナス成長となりました。

今期の既存店売上高の振り返り

では、同社のここまでの既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は3月決算)。

既存店売上高については、前期は新型コロナウイルス問題が本格化した3月(94.8%)を除き全ての月でプラス成長となりました。今期は対前年同月比で4月77.8%、5月77.8%、6月83.3%、7月88.1%と推移しており、マイナス成長が続くものの着実な回復を見せつつあります。

また、全店売上高も前期は3月(95.9%)以外全ての月がプラス成長となった後、今期は4月78.5%、5月78.8%、6月84.8%、7月90.1%となっており、既存店同様の推移を見せています。

過去1年の株価動向

最後に同社の株価動向を見ていきましょう。

同社の株価は2019年7月から上昇が続き、2020年1月には5,130円の高値に到達しました。しかし反落し2月後半からの世界的な株価下落を背景に、3月13日には3,025円の安値を付けました。

その後は反発し、5月に4,000円台を回復したものの再び下落に転じており、現在は3,200円前後からやや値を戻しているといった水準にあります。

緊急事態宣言の全面解除を受け、6月・7月と売上数字は対前年同月比で改善されつつありますが、プラス成長に転じるまでには至りませんでした。新型コロナウイルス感染者数が再度増加を見せる中で、今後どのタイミングでプラス成長に転じるのかが注目されます。

松屋フーズホールディングスの過去1年の株価推移

参考資料:月次報告 2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)

LIMO編集部