実際には「警戒」水準なのにその6割が楽観

さらに日本のスコアで「警戒」と分類された人たちの主観的評価を調べてみると、自身で「警戒」水準だとわかっていたのはわずか20%でした。

逆に「計画通り」とみている人は20%、「あと一歩」とみている人が39%となり、併せて6割近い人が実際には「警戒」水準なのに、自身の評価では楽観的になっていることがわかります。

また、本人の評価では「計画通り」に進んでいるとみている人の55%は残念ながらその水準まで達成していないこともわかりました。

こうした退職準備の遅れに対する認識のギャップは予想外に大きく、啓発活動の重要性が高いことを示しています。

日本の退職準備に対する主観的評価と客観的データのギャップ (単位:%)

注:フィデリティ退職準備スコアで95ポイント以上が「計画通り」、81-95ポイントが「あと一歩」、65-80ポイントが「要注意」、65ポイント未満が「警戒」水準。
出所:フィデリティ退職・投資教育研究所、Viewpoint Vol.10、フィデリティ退職準備スコア~リタイアメント・プラン実現のために何をすればいいのか~(2020年4月)

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合同会社フィンウェル研究所代表 野尻 哲史