ドルを裏付けとした仮想通貨が決済通貨となる過程で、金の資産価値が消失する

さて、決済の主体が各国通貨の仮想通貨に変ってゆくと考えると、金は、先ほど見てきた理屈が正しいとすれば、ドルの裏付けとして、ドルの代わりとしての資産価値を失うことになります。

「中国人民銀行は、5月下旬、深圳、蘇州、雄安新区、成都、および2022年の冬季北京五輪の会場における「デジタル人民元」の試行実施を明言した」というニュースがありました。

各国中央銀行の仮想通貨の発行は、まだ現実味のない雰囲気がありますが、中国の動きを見れば、もう数年先に迫っていると推測できます。

今回の金の大幅上昇局面は、金が自らの存在をアピールする最後の打ち上げ花火になるかもしれません。

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武田 尚季