金価格の上昇は歴史の中で最後の打ち上げ花火か

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仮想通貨の裏付けとなるものに金のような価値は必要ない

2019年6月、Facebook(フェイスブック)は仮想通貨「Libra(リブラ)」を発行する準備を整えていると発表しました。Libraは、法定通貨を裏付けとして、変動の少ない仮想通貨になるように考えられているようです。

個人的には、投機が一段落して、今後は、決済通貨として利便性の高い仮想通貨が発行され、実際に使われるようになってゆくと考えています。

もしそうなれば、中央銀行が仮想通貨を発行するようになるはずです。その際、まずは、自国の通貨を裏付けとした仮想通貨になる可能性があります。

この裏付けの意味は、「ドルが心配なので金を保有する」という意味と少し異なります。

ドルは、経済的にも軍事的にも強い米国が保証している通貨です。それでも、何か、とんでもない天災が起こり、米国政府がその価値を維持できない状況へ陥ることが完全にないわけではありません。ドルは、強いアメリカが保証してくれていますが、米国が衰退してしまえば、価値がなくなってしまいます。

金は、現時点で言えば、世界で共有の価値を持っています。金本位制が崩壊してもなお、全世界で近い価値として認識してもらえる金がドルの裏付けとなっています。だからこそ、米国が世界最大の金の保有国になっているわけです。

一方で、仮想通貨の裏付けとなるものは、その時点で安心を与えることのできるものであれば何でもかまいません。仮想通貨は、決済の主体が仮想通貨に置き換わってゆく過程で、いつでもどこでも何にでも、瞬時に交換できるようになるのですから、仮想通貨自体に価値を持つ必要がありません。取引所で交換できる程度の信頼を有していればいいだけです。

仮想通貨の裏付けとなる法定通貨や、他の仮想通貨、金、その他の資産は、仮想通貨を流通させるための手段として、使う側に安心を与えるものに過ぎないのです。

流通量が増える過程で、仮想通貨自体が全世界で共通の認識を持った媒体となるので、金本位制が崩壊したように、裏付けとなるものは、切り離されることになると考えられます。

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執筆者

資本市場分析が得意な金融コラムニスト。大学を卒業後、大手証券会社に入社。金融機関を退社後、資本市場の分析を得意とするライターとして独立。公開情報やデータをもとに分析をした、偏りのない記事を執筆してきている。