足のサイズを立体測定できる「ZOZOマット」を武器に、ネット通販では最もハードルが高いとされる「靴」の専門サイトをZOZOがオープンした。
返品・サイズ交換無料などの高品質サービスで先行する競合サイトもあるが、これらサイトにどこまで迫れるのか注目が集まる。成功が難しいとされる靴分野において、同社の勝算や可能性を予測・検証したい。
「靴」は返品も多くネット通販では成功しにくい商材
洋服と違い左右で微妙にサイズが違う「靴」は試し履きが必須ともいわれ、ネット通販では難易度がトップの商材だ。サイズが0.5ミリ単位のため幅広い品ぞろえが不可欠で、在庫も積み上がりやすい。返品率が高いのも大きな特徴で、必然的に利益率も薄いといえる。
これまでアマゾンなどが靴専門サイトに挑戦したものの、なかなか成功には結びつかなかったことが、そのハードルの高さを示している。ところが、「ZOZOマット」でサイズ問題の解消につなげるという施策を打ち出し、今年3月にZOZOが靴専門サイト「ZOZOシューズ」をオープンした。
3Dサイズ計測の「ZOZOマット」を無料配布し本格参入
ZOZOの事前調査によれば、ネットでの靴購入については「サイズが不安」との回答が8割を占めた。それでも踏み切った背景には、過去に開発したボディ採寸用「ZOZOスーツ」の失敗で培った知見をもとに開発した計測ツール「ZOZOマット」への信頼と期待がある。
「ZOZOマット」は足を乗せたマット上のドットマーカーをスマホカメラが読み取り、足の長さ・幅・周囲などを3Dで計測して最適サイズを表示する仕組みだ。着用や計測が面倒だった「ZOZOスーツ」に比べると、はるかに手軽に試せる。