同社最大の武器は、全商品を送料無料で即日発送し、商品到着後99 日以内は返品もサイズ交換も無料というサービスだった。サイズ別に複数の靴を無料で取り寄せて最適な商品を選び不要な靴は無料返送が可能というもので、開始後1年間で登録者数は10万人を超え、サイト訪問者数は月に100万人を上回った。
しかし、やはり靴だけでの収益確保は厳しかったようで、その後アパレルの扱いにも着手。無料期間は基本的に返品が21日間、サイズ交換が14日間に短縮され、サービスと収支のバランスの難しさが浮き彫りになった。
その後はF1層(20〜34歳の女性)に人気のアパレルサイトなどを次々に買収し、ファッションモールとしての規模拡大を狙った。ただ靴専門サイトとしての存在感は薄らぎ、買収によって取扱高は増えたものの、ここ2期は連続赤字となっている。
アマゾンも2008年、満を持して自社の靴専門サイト「ジャバリ」をオープンした。全商品を翌日に無料配送し30日以内なら無料で返品可能なもので、その後「ロコンド」に対抗して期間を365日へと大幅に延長した。
しかし、2014年には30日に短縮され、その後「ジャバリ」はなくなり、靴は現在「Amazon.co.jp」内の1つのカテゴリーとして扱われている。返品可能期間は30日のままだが、返送料はユーザー負担となる。
「ZOZOシューズ」を成功へ導くカギは?
このように靴のネット通販では、先駆者たちが試着サービスを充実させることでハードルを超えようとしたが、成功に結びついたとは言い難い。現在でもサイズ交換や返品期間にかなり余裕を持たせているものの、解消には至っていない。