体型別サイズを用意し失敗した「ZOZOスーツ」の轍を踏まないように、コスト削減や生産日数短縮にも配慮した。家族で使い回せる仕組みにして無駄な配布を省くとともに、基本レイアウトを用紙の印刷仕様とすることで低コスト・短期間での大量配布が可能となった。

昨年から無料配布の予約を開始し、初日だけで20万件以上の注文があったという。今年3月には約119万件に達し、6月時点での計測者数はおよそ100万人を突破している。

「相性度」をサイズ別に表示し年商1,000億円を目指す

「ZOZOマット」がある程度行き渡ったところで、今年3月に「ZOZOシューズ」を開設した。他のサイトと画期的に異なるのは、試着しなくても最適な靴のサイズを見つけられることに尽きる。

どのサイズが最適かということは、靴の形や締め付け感、ゆとりなどが人によって違う。そこで、ユーザーごとの計測データなどをもとに、履いた時のフィット感に満足できる確率を「相性度」として靴の各サイズ別に表示したのだ。

ZOZOの昨年1年間における靴分野の取扱高は、前年比2桁増の約400億円だった。「ZOZOマット」の話題が追い風になった可能性もあるが、今年はさらに増収を見込み、将来は1,000億円市場を目指すという。

「靴」に挑戦した先行企業の施策とハードル

靴のネット通販という難関に挑戦したZOZOだが、実はすでにこの難関に挑んだ複数の先行企業がある。2011年に靴専門サイト「ロコンド」を開設したロコンド(旧社名ジェイド)が代表的な1社で、“試着できる靴サイト”をコンセプトに掲げた。