精密機器大手のキヤノンで働くと、実際どれくらいの年収が得られるのか?

カメラや複合機に加え、医療機器や半導体製造装置まで手がける企業で、給与水準はどう変わってきたのか、と気になっていませんか?

最新の有価証券報告書によると、同社(提出会社単体)の平均年間給与は881万7253円です。

ただし、この数字は連結16万5547人という巨大なグループ全体の給与水準を直接示すものではありません。

本記事では、有価証券報告書の最新データをもとに、平均給与・平均年齢・勤続年数から事業本部別の従業員構成まで詳しく解説します。

読むことで、精密機器・電機メーカーへの就職・転職を検討する際の待遇面での判断材料が得られます。

ココがポイント
  • 平均年間給与881万7253円の実態:提出会社単体の従業員数は2万2921名で、平均年齢44.3歳・平均勤続年数18.9年。プリンティング・イメージング・メディカル・インダストリアルの4事業本部体制で集計されている。
  • 連結16万5547人の従業員構成:連結従業員数は16万5547人。最大勢力はプリンティングビジネスユニットの10万5938人で、連結従業員全体の約6割を占める。
  • 生産性革新と人的資本投資の動き:2026年開始の新中期経営計画「グローバル優良企業グループ構想Phase VII」では、人件費アップの影響を受けつつも、生産性革新によって収益性を高める方針を掲げている。

1. キヤノンの平均年間給与はいくらか

キヤノン株式会社(提出会社)の2025年12月31日時点での平均年間給与は881万7253円です。

従業員の平均年齢は44.3歳、平均勤続年数は18.9年です。

キヤノン株式会社(提出会社単体)主要データ1/2

キヤノン株式会社(提出会社単体)主要データ

出所:キヤノン株式会社「有価証券報告書(第125期)」をもとにLIMO編集部作成

提出会社の従業員数は2万2921名で、プリンティングビジネスユニットが8873名、イメージングビジネスユニットが3899名と続きます。

残るインダストリアルビジネスユニットが2558名、メディカルビジネスユニットが604名、その他及び全社が6987名です。

2. キヤノンの従業員数は何人か

有価証券報告書によれば、提出会社(単体)の従業員数は2025年12月31日時点で2万2921名です。

一方、連結の従業員数は16万5547名にのぼります。

事業本部ごとの内訳は以下の通りです。

キヤノン株式会社 事業本部別従業員数(連結)2/2

キヤノン株式会社 事業本部別従業員数(連結)

出所:キヤノン株式会社「有価証券報告書(第125期)」をもとにLIMO編集部作成

連結ベースで最大勢力はプリンティングビジネスユニットの10万5938名で、連結従業員全体の約6割を占めています。

複合機やレーザープリンターなどのオフィス機器・産業印刷機器を担う部門であり、グローバルな生産・販売網の広がりを反映した数字です。

キヤノングループは、カメラや複合機に加え、医療機器や半導体製造装置なども手がける複合企業として事業を展開しています。

3. 生産性革新と人的資本投資の動き

キヤノンは2026年から2030年までの新たな中期経営計画「グローバル優良企業グループ構想Phase VII」を開始しています。

前計画「Phase VI」の振り返りでは、人件費アップや物価高、関税等の影響により、2025年の営業利益率目標であった12%の達成が先送りとなったことも明らかにされています。

Phase VIIでは、生産性革新を断行しながら、人的資本への投資を継続していく方針が示されています。

4. まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は、仕事をする人にとって誰もが気になる要素ではないでしょうか。

ただし、提出会社単体の給与データは、キヤノングループ全体の実態をそのまま示すものではありません。

グループ全体の実態を知るには、連結ベースの従業員構成もあわせて確認することをおすすめします。

こうしたデータが、就職活動や転職活動の参考になれば幸いです。

4.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

また、従業員数は就業人員数であり、パートタイマー、期間社員等を含んでいます。

4.2 【ご参考】有価証券報告書とは

日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。

有価証券報告書は、原則として事業年度経過後3カ月以内に提出することが求められています。

5. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント

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下村 美乃莉

精密機器メーカーのように、複合機やカメラといった消費者向け事業と、医療機器や半導体製造装置といった法人向け事業を併せ持つ企業では、所属する事業本部によって求められるスキルや年収の伸び方が異なります。有価証券報告書に記載されている「平均年間給与」は、あくまで提出会社単体の集計値であり、事業本部ごとの内訳までは開示されていない点に留意が必要です。

投資家目線で見ると、キヤノンが2026年から開始した新たな中期経営計画「グローバル優良企業グループ構想Phase VII」では、人件費アップや物価高の影響を受けながらも、生産性革新によって収益性を高める方針が示されています。人件費の増加は短期的にはコストに見えますが、優秀な人材の確保・定着を通じて中長期的な企業価値向上を支える投資と捉えることもできます。同社の株式に長期投資する場合も、構造改革の進捗とあわせて、人的資本への投資がどのように収益性の改善につながっていくかを確認しておくとよいでしょう。

就職・転職を考える際は、公開されている平均給与の数字を入口としつつ、実際にその事業本部でどのようなキャリアを歩めるのか、面接や説明会などを通じて具体的にイメージを膨らませることをおすすめします。

参考資料

マネー編集部年収班