ESGという言葉をご存知ですか? ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の英単語の頭文字を組み合わせた造語です。

ESGという言葉自体はかれこれ7〜8年前から投資テーマとしてポツポツ出ていましたが、当時は大化けすることはありませんでした。それが、最近のSDGs(Sustainable Development Goals/SDGs=持続可能な開発目標)と、何となく意味や語感が似ていることから、バズワードとして息を吹き返してきたと筆者は感じています。

環境(E)に優しく、社会的に(S)重要、かつ先進的な企業統治(G)を進めるのは、企業であれば当然です。ところが、わざわざESGなる言葉が先行するのは、実際達成できないスローガンだからなのですね。一方、国連が推進するSDGsは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標とのことです。

抽象的過ぎて何をするのか不明な点が多いのですが、コロナショックでトーンダウンしているのは否めません。それどころではないのが世界各国の実態でしょう。SDGsのカラーホイール・バッジを付けている政治家やビジネスマン諸氏、最近あまり見ませんね。

金融機関にとっては売れる投資信託が”いい投資信託”

さて、若干沈んだSDGsですが、ESGはここに来て投資信託ビジネスでは旬なテーマになっています。

内外株価がピークを打った後、コロナショックで個人向け金融商品が売れない中、「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) 愛称:未来の世界(ESG)」という投資信託が、3800億円以上の資金を集め、7月20日に新規設定されました。

新規設定の投資信託がこれだけの資金を集めたのは20年ぶりなのですが、たった2社の販売会社(みずほ銀行、みずほ証券)のみでの募集でした。いかに現場にプレッシャーがかかっていたかがわかるというものです(新規設定というのは、新しい投資信託が発売されて運用開始になったという意味の金融用語です)。

一方、運用成果はこれからのお楽しみです。新規設定ファンドですから、どの企業の株式に投資するかは予め開示されているわけではありません。この投資信託の投資信託説明書によれば、「主としてわが国および新興国を含む世界の金融商品取引所上場株式(上場予定を含みます。) に実質的に投資を行います。」とされています。