注目したい「年収300万~500万円未満」と「70歳代」

「年収300万~500万円未満」ゾーン

国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査結果」によると、2018年の日本の平均年収は441万7,000円です。「300万~500万円未満」は、この平均年収が含まれるゾーンですね。

単身世帯の30歳代で年収が「300~500万円未満」の人の約4割は金融資産保有額が100万円に届いていません。40歳代、50歳代をみても、4割強はやはり100万円未満であることがわかります。二人以上の世帯では少し状況が変わるものの、年収「300~500万円未満」ゾーンの30代、40代、50代をみると、やはり2~3割の人たちは「金融資産保有額が100万円未満」にとどまっています。

上記からは、平均的なお給料をもらっていても、資産状況が厳しい人が多いということが分かります。また二人以上の世帯で「年収750万円以上の高収入世帯でも金融資産保有額が100万円以下であるケース」が一定数いることも目をひきます。

「70歳代」

もうひとつ気になるのが「70歳代」。70歳になるとほとんどの方の収入源は年金でしょう。厚労省が公表している「平成30年度(2019年度) 厚生年金保険・国民年金事業の概況
によると、2018年の厚生年金受給権者における平均月額は14万3,761円(※2)。最も一般的な、夫が厚生年金で妻が基礎年金という組み合わせでは平均月額21万7,182円になります。しかし、この場合、年収は300万円に届きません。

そして300万円未満世帯の43.1%は金融資産保有額が100万円未満となっています。「70歳代」は年収が多くても少なくても、約2割が100万円未満の世帯であるのも特徴的です。