新型コロナウイルスへの対策として、非対面型の販売やサービスを導入する企業が増えてきています。ECサイトはその代表格です。

ECサイトで商品を販売するのも、店舗で商品を販売するのも、基本は一緒です。相手にするのは、どちらも商品を買ってくださるお客様。ECサイトでも、店舗での販売でも「お客様に対する心遣い」や「どのような商品を扱うか」「どのようなお客様をターゲットにするか」など、最初に決めなければならないコンセプトづくりも全く同じです。

ただ、通信販売ならではの注意点がいくつかあります。主に法的な問題です。ECサイトでの販売に関連する法律、トラブルの防止のための規約作りについて見ていきましょう。

ECサイトに関連する法律を押さえる

ECサイトを開設する場合には、消費者保護のためにさまざまな法律が適用されます。基本だけ押さえておきましょう。

まず押さえておくべきなのは特定商取引法です。サイト内に、商品の販売価格・送料・事業者の氏名又は名称、住所、電話番号・代表者又は業務の責任者名を記載することが義務付けられています。

なお、すぐに商品の発送ができない場合には、代金の支払い時期と方法・商品の引渡し時期も記載する必要があります。

また誇大広告も禁止されています。性能や産地、著名人の関与などについて虚偽の記載をすることは、店舗の信用をなくすだけでなく、業務停止命令などの行政罰の対象ともなりますのでご注意ください。

規約の作成

ネットショップは対面と異なり、消費者と直接取引条件などを話し合うといったことがほとんどできません。そのため、規約という形で取引条件を一方的に提示し、その内容に消費者が同意することでトラブルを防ぐ必要があります。

利用規約を作成する際には、次の3点をチェックしましょう。

①サイト内の目につきやすいところに、読みやすく表示されているか
②規約の内容は簡潔で、分かりにくい用語を使っていないか
③商品、サービスの購入にあたって、規約への同意が必須である設計になっているか

せっかく規約を作っても、消費者の目の留まらないところに表示しては意味もないですし、トラブルとなった場合も規約の存在は知らなかったという主張をされる恐れもあります。見やすく、分かりやすい規約を作りましょう。

ECサイトの活用がこれまで以上に注目されてきています。関心のある方は、ECサイトに詳しいコンサルタントや専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

中野 裕哲