計画性のなさで貯金ゼロ

「あっという間にもう40代半ば。なのに今まで夫婦2人とも貯金がないことに気が付かなかった」と話すのは、関東近郊に住む40代のCさん夫妻。「夫も私も、子どもができてもそれぞれ正社員で働いていたし、二馬力だから大丈夫と思い込んでいたのかもしれない」と話します。

「子どもは2人で、それなりにお金はかけたし、郊外に家も買った。そう思うと『やりたい』『ほしい』と思ったものをガマンしない夫婦だったような気がする。子どもが習い事したいと言えば行かせてあげていた。私の両親が近くにいて習い事のお迎えをしてくれたり、私が遅くなる日はご飯も作ってくれて…。時間的な制約がなかったのも大きいかもしれない…」とCさん。

「今後のために夫の給料で家のローンを含めた生活費を賄い、私のお給料はそのまま貯金口座に入金されるようにした。 今からだと少し遅い気もするけれど、老後のためにiDeCoも始めたし、NISAで投資信託の運用も。夫婦の性格的に、こまごま節約をするよりも積極的に増やすほうが性に合っている気がしたから、貯めるお金はちゃんと貯めつつ、ある程度は投資にも振り分けると決めた」と話していました。

40代になってから個人型確定拠出年金のiDeCoを始めるのは遅いという声もありますが、節税効果があるのでやらないよりはいいでしょう。計画的にお金を貯めることができていなかったCさん夫婦にとっては良い選択ではないでしょうか。

おわりに

Cさん夫婦のように、意識的にお金を貯めてこなかったという人も意外と多いのかもしれません。ただ、40代になっても遅いからダメというものではありません。子育てが一段落していたり、役職について収入が増えたりするタイミングでもありますから、ここから一気に貯金するぞ、という気持ちで老後資金のことに向き合ってはいかがでしょうか。

大塚 ちえ