数ある投資信託の中で人気の高い「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。

純資産総額は10兆円を超えています。2025年初頭には約5兆円だった規模がわずか1年で倍増した背景には、資金流入に加え、世界的な株高と円安による評価額の押し上げという強力な追い風がありました。

「とりあえずオルカンを買っておけば安心」という声も多く聞かれますが、それがすべての人にとっての最適解とは限りません。

本記事では、オルカンの具体的な投資先やリスクの度合い、運用コストから過去の実績までを徹底解説します。ブームに流されるのではなく、中身を正しく理解し、納得した上で投資判断を下すための参考にご覧ください。

1.  「オルカン」の平均利回りは何パーセント?

オルカンは2018年10月31日に設定されたファンドです。

2026年1月末時点から過去を振り返ると、平均利回りは次のようになります。

  • 過去5年の年平均:約19〜20%
  • 過去3年の年平均:約24〜26%
  • 過去1年:約21%

「年利20%前後」という数字は、資産が約3.5〜4年で2倍になる計算です。この非常に高いパフォーマンスの背景には、主に2つの要因があげられます。

  • 米国ハイテク株の独歩高:世界市場を牽引する米国株、特にテック企業が期待を上回る成長を継続しました。
  • 円安による「底上げ」:外貨建て資産のため、円安が進行するほど、日本円ベースの評価額が押し上げられるボーナスステージが続きました。

これだけの数字を見ると、「これからも同じように増え続ける」と錯覚してしまいがちですが、投資において「平均」は凪(なぎ)の状態を指す言葉ではありません。

+30%の年もあれば、▲30%の年もある。それらが混ざり合って、結果として「平均20%」という数字に落ち着いているに過ぎません。特定の月や年だけを切り取れば、元本を下回るマイナス局面は必ず存在するということを十分に理解しておく必要があります。