出生数が初の90万人割れ。歯止めのかからない日本の少子化
先に述べたとおり、2019年の出生数は統計を開始した1899年以来はじめて90万人を割る結果となりました。厚生労働省発表の2018年の合計特殊出生率(一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数)は1.42と少子化に歯止めがかからない状態が続いています。
内閣府が掲げる「ストップ少子化・地方元気戦略」では、子どもを望む夫婦の希望がすべてかなった場合の出生率を「希望出生率」と定義しています。「希望出生率1.8」を目標値として待機児童対策や働き方改革などを推進しているものの、現実の数値との間には大きな開きがあり、目標達成は困難な状況にあります。今や結婚したら子どもを持つのが当たり前といった概念は薄れ、共働きで子どもを持たない選択をしたDINKs家庭に代表されるように家族の在り方の多様化が進んでいるといえるでしょう。