小さな頃から「いい子にしていて」と言われて育ったこの世代は、「いい子=評価される」という概念があるため、自分の失敗やダメな部分に弱いところもあるでしょう。少しでも自分のダメなところを見つけると、大きく落ち込み、「直さないと!」と思いがちです。

また、当時良く使われたのが「頑張れ」という言葉です。近年では「頑張っている人に頑張れとは言わない方がいい」という意見が注目を浴びましたが、それ以前は「頑張れ」という言葉は挨拶並みの頻度でよく使われたものでした。

しかし「頑張れ」という言葉は、気を付けないと「今の自分では不足しているから、理想に向かって努力すべき」と、今の自分を否定することにもなり得ます。いい子になるために頑張ってと育てられた30~40代は、自分のダメな部分を受け入れることが苦手と言えるかもしれません。

ダメな部分を「自分の一部」としてうまく使う

自分でダメだと思う部分、つまり苦手分野や弱点というものは、直そうと思って直せるわけではありません。そもそも直せる程度のものなら、苦手や弱点とまでは言わないでしょう。また、誰にでも苦手分野や弱点はあるものです。

苦手や弱点に対処するには、さまざまなアプローチの方法があります。避けたいのは、「見て見ぬふりをする」「なかったことにする」こと。それでは自分という人間が分かっていない状態ですし、本来手を出さなくてもいいはずの苦手分野にまで手を出してしまうことにもなります。

「直す」のも困難です。長時間かかり根気が必要ですし、直ったとしても得意にはならないでしょう。苦手分野を克服することに労力と時間をかけるより、得意なものや長所に時間を使いたいものです。