まもなく、多くの企業で第1四半期の決算発表が行われます。明るい見通しを出す企業が出てきており、特に小売、流通では株価が上昇しているところが目立ちます。

一方で、10日にはファーストリテイリングが2020年8月期の業績予想を下方修正するなど十把一絡げにできないところもあります。当面は個別銘柄を物色する戦略になるでしょう。ただし、どの銘柄も、投資家が一喜一憂するような値動きになりがちなので注意したいところです。

25日移動平均線を割り込んだが、売り急ぐほどではない

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

週初6日に長めの陽線で25日移動平均線を上抜けました。25日線で下値をサポートされるかどうかがポイントになります。その後7~9日は、陰線になりながらも25日線をなんとか維持するような動きでしたが、週末10日には長めの陰線で25日線を下抜けてしまいました。

今後の展開はどうなるでしょうか。25日線を割り込んだからといって、ただちに売り目線になる必要はありません。というのも、現状は6月9日の高値(23,185円)からの調整で、三角保ち合いのような形になっているからです。

直近では、ペナントを若干上に抜けたような状態です。という点ではむしろ上目線でサポートを確認したいところです。

今週、まずは25日線を回復し、下値がサポートされるかどうかが注目されます。やや気になるのは、昨今の動きで、25日線が上向きから水平、さらに下向きに変わってきたことです。

ここからさらに調整が進むとすれば、直近の下値メドとなるのは、目先意識されやすい22,000円、6月29日の安値(21,969円)などになります。これを割り込むと、今度はペナントを下抜ける形になります。

さらに6月15日の安値(21,529円)を割るようだと、短期的な上昇トレンドが否定される形になりますので警戒が必要です。逆に言えば、若干の調整があったとしても、このあたりまでは押し目買いの好機にもなります。

下原 一晃