ビジネスは田舎でも問題なし
筆者は移住前に「現地の人とうまくビジネスできるだろうか?」と心配していました。PC1台だけでビジネスをするプログラマーなどだと、現地で人と関わらなくてもオンラインの関係だけで完結できるでしょう。しかし、筆者が手掛けているビジネスはフルーツギフトのネット通販です。フルーツの仕入れ、梱包、電話対応などたくさんの従業員を雇用して、コミュニケーションを取りながら人海戦術で働いてもらわなければいけません。
しかし、蓋を開けてみて拍子抜けしました。ビジネスは田舎でもまったくの無問題です。「田舎は東京のようにIT化されていない」と思っていましたが、驚くほどITに強い人もいるのです。
また、田舎で企業経営をするメリットがあります。それは優秀な人を東京より安い人件費で採用できることです。「この人はどこへいっても十分通用するな」と感じさせる、すごく能力の高い社員もいます。優秀な人を雇うために、自分の会社は近隣の企業の賃金相場より高めに設定しています。しかし、それでも東京の企業と比べてしまうと、決して高額な報酬を出しているわけではありません。
それでも入社した社員やアルバイトは「この会社の給料の高さに惹かれた」と言う人もいて驚かされます。田舎は優秀な人材でも、東京ほど高額な人件費をかけずにビジネスができる魅力があるのです。
ちなみにビジネスをする上で「田舎独特のやりにくさ」を強いて言うなら、「すいません。来週は収穫作業があるので、有給休暇を取らせてもらえますか?」と兼業農家をやっている社員から相談されるくらいでしょうか。
東京では「農業なんて趣味でしょ!休日にやりなさい!」と言われてしまうでしょうが、自分がいる地域では半分近くの従業員が畑を持ち、当たり前のように農作物を育てています。彼/彼女らの収穫作業を想定してシフトを組んであげる必要があります。