まず老後も支払い続けるものをリストアップ
上述の「貰える年金の額」も「生活に掛かる額」も、あくまでも「平均」です。自分たち夫婦の場合は、月にいくら必要なのかどうなのか?を洗い出しましょう。
高校3年生と1年生の娘のお母さんである主婦A子さんが年金に関して考え始めたきっかけは、娘たちの進学費用の洗い出しをしていた時でした。A子さんのような50代の夫婦にとって、このタイミングは大学進学で教育費の支出が最大になる時です。「大学の学費は足りるか?」を検証するため貯蓄の洗い出しをしました。
その流れで「ところで、退職金はどれくらい貰えるのか?」「住宅ローンの残債、あと何年払うの?いくら残っているのか?」「じゃあ、年金はどうなんだ?」と自分たちの老後資金も芋づる式に考えることになりました。ざっと計算すると、なかなか厳しい現実だということが分かりました。しかし、そのことに早く気が付けば気がつくほど、対策できる時間は増えます。
後悔先に立たず。退職後、年金を貰い始めて「まさかこんなに苦しい生活になるとは思いもしなかった」ということにならないように、自分の年金のことを知り、早期に対策を講じることがゆとりある老後への第一歩です。
【参考】
日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度」
厚生労働省「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
日本年金機構「大切なお知らせ、『ねんきん定期便』をお届けしています」
(公財)生命保険文化センター「令和元年度生活保障に関する調査(速報版)」まとまる」
堀田 馨