救われたのは、私のほうかもしれない…
7匹の愛猫との出会いはどれもふくてんさんにとって、特別でかけがえのないもの。その中でも、特に印象的だったのが多頭飼いのきっかけを築いてくれた、ジニアちゃんとカンナちゃん姉妹。
(左:ジニアちゃん、右:カンナちゃん)
2匹は、ふくてんさんが一人暮らしを始めて半年経った頃に最初に迎えた子。「5年前の夏、偶然、終了間際だった譲渡会に立ち寄った際、くぎづけになったのが1個のケージの中にいた姉妹猫。
「1匹だけ迎える気でいたのですが、保護団体の方から2匹一緒に迎えることを強く薦められて。まさか自分が一気に2匹の里親になるとは微塵も思っておらず、正直戸惑いました。でも、今はその方に感謝の気持ちでいっぱい。私に多頭飼いの喜びを教えて下さったのですから。」
あの時、1匹しか迎えていなかったら、今も私は単頭飼いだったかもしれない。当時をそう振り返るふくてんさんはその身をもって体験してきたからこそ、どんなボロボロの猫でも愛情と病院代をたっぷりかければ、ウルツヤ猫に変身すると力説します。
「ジニア、カンナ、ミレット 、侘助、ホップ、あざみ、金柑…。我が家の子たちは私の仕事柄、全て植物から名付けました。私は全てのことに対して諦めているような悲観的な性格だったので、まさかこんな人生が待ち受けているなんて思ってもみませんでした。住まいや生活、性格すらも全て猫たちに変えられました。」
私の人生も捨てたものじゃなかった。救われたのは、私のほうかもしれない―。そう語るふくてんさんは隣にいてくれる7つのぬくもりに、幸せと明日を生きる活力を貰い続けています。
古川 諭香