悲観的な私を変えた7匹の愛猫たち

ミレット君を含め、7匹もの猫と暮らすふくてんさんですが、実はもともと猫は好きでも嫌いでもなかったそう。「昔、実家で飼っていた犬を亡くしてから、動物と暮らすことは私の人生ではもうないだろうと思っていました。猫も特別好きなわけではなかったし、自分の人生に何も望んでいませんでした。とても悲観的な性格だった。」

そんな人生観を変えたのが8年前の梅雨、実家にやってきた1匹の子猫。「衰弱してカラスに狙われていた子猫を父が拾ってきました。私は一目ゾッコンとなり、この子をピカピカにかわいくしたいと思いました。」

ネムと名付けたその猫は現在も実家でご両親から溺愛されているそう。「私は3年間一緒に暮らし、実家を出て、近所にあったペット可のアパートで猫と暮らすようになりました。」賃貸での多頭飼い生活に限界を感じたのは、4匹目を保護した頃。「田舎に家を建てる決意をしました。勢いでの行動でしたが、とても自然な流れだったと思います。」

10年前の自分が、今の生活を知ったら仰天して失神していると思う。そう笑う、ふくてんさんは猫たちが心地よく過ごせるよう、家を建てる土地にもこだわったそう。「朝から晩まで仕事であることがほとんどですから、留守中に楽しんでニャルソックできるようにロケーションの良い立地に家を建てました。設計の際には窓も増やしました。」

自宅には、多頭飼いならではの配慮も盛り込まれています。壁は極力減らし、爪とぎをされそうな場所にはあらかじめ、爪とぎ防止パネルを設置。

この金銭投資は、結果的に大正解。猫も人も快適な暮らしができるようになりました。しかし、猫愛が止まらないふくてんさんはDIYでキャットステップを数カ所取り付けるなどし、さらに猫たちが快適に過ごせるよう工夫を凝らし続けています。最近では、「ベランダに猫たちの居場所を制作」脱走防止がしっかりとなされた「憩いスペース」の制作期間は意外にも、3〜4日。「隙間時間で作ったので、根詰めてやれば1〜2日程度で完成すると思います。」

この居場所を作ったのには、深い理由が。「実は我が家のジニアは散歩猫。リードをつけて毎晩10分程度、自宅の庭を散歩していましたが、ある日、マムシに遭遇してしまいました。」驚き、パニックを起こして暴れるジニアちゃんを両腕で抱えたため、ふくてんさんは傷だらけに。出血が止まらなかったので、夜に救急病院に駆け込みました。「これを機に、散歩をやめる決意をしました。でも、せめてベランダでお外気分は味わわせてあげたいと思い、DIYしたんです。」
猫も人も快適に共生できる家づくり―。ふくてんさんのそんなモットーは、ベランダでも表現されているのです。