自国でオンライン受講、留学の意味ある?

ビジネススクールだけに限らず、大学全体にとって厳しいのは留学生からの収入が大幅に減ってしまうことです。パンデミックが始まる以前から、トランプ政権の反移民体制の影響で、留学生のビザ規制が厳しくなり、すでに多くの大学では留学生の数が激減しています。

それに拍車をかけるかのような今回のパンデミック。秋学期からの留学生の入学は、さらに減ることが予想されています。在留学生についても春学期はオンライン授業での単位取得の特別許可がおりましたが、米移民局が6月4日に発表した留学生関連のQ&A(※2)では、秋学期についての詳細はまだはっきり決まっていないということです。

通常、留学生はビザを更新するために、フルタイム(1学期12単位以上)ステイタスを保たなければなりません。その内の1クラス(3単位)しかオンライン授業は受けられないことになっています。

もし、大学が通常授業を始めるようになれば、アメリカに戻るにもCOVID-19の第2波がどう展開するかも分からないですし、秋学期もオンライン授業での単位取得が許可されても自国で1人でオンライン授業を受けるだけでは、高い授業料を払う意味があるのかと悩むところでしょう。

2021年度もどうなるのかわからないようであれば、自国の大学に編入を考える学生も出て来るでしょう。大学にとっては何とか留学生を減らしたくないところですが、移民局のガイダンスによるところです。

長い間、世界中からの留学生を集めてきたアメリカ。留学生は大学のみならず、アメリカ経済に大きく貢献してきました。国際教育交流団体、NAFSA(※3)によれば、2018年秋~2019年春のアカデミックイヤーでの留学生からの収入は410億ドル、留学生関連のビジネスにおいては46 万人もの雇用を創出したようです。

今後、アメリカの大学や留学生関連ビジネスがどのように生き延びて行くのか、注目していきたいところです。

参考

(※1)The Economist “The pandemic increases the challenges facing business schools”
(※2)U.S. Immigration and Customs Enforcement“Frequently Asked Questions for SEVP Stakeholders about COVID-19”(Last Updated : June 4,2020)
(※3)NAFSA “Benefits from International Students”

美紀 ブライト