実は投資信託も似たりよったりで、絶対的に優れた映画がないのと同じく、絶対的に優れた投資信託はありません。

ですので、売れるためには販売戦略としていかに内容を魅力的に感じさせるかが腕の見せどころになります。映画で言えば監督の、投資信託で言えば金融機関のマーケティング担当者の技量が試されるというわけです。

マーケティングはパクってなんぼ?

『パラサイト』を見ていない読者は、ぜひ一度見てください。好みがあるので評点はしませんが、売れる映画のポイントがそこらじゅうに散りばめてあります。

言い換えれば、本当に面白いかどうかは別にして、いかに観客を満足させる商品に仕立てているかということ。投資信託で言えば、本当に儲かるかどうかは別にして、儲かりそうな感じを醸し出して買ってもらう工夫、とでも言いましょうか。以下、販促に携わっている関係者はぜひ参考にしてください。

1. パクリのうまさ

『パラサイト』のオープニングは、イケてないけど仲のいい4人家族の日常から始まります。しかも失業中のお父さん、オーバーサイズのお母さん、デキの悪い茶髪の長男長女、でもメッチャ仲がいい。なにかやらかしそうな感じが満載の家族です。

これって、『万引き家族』の入りとそっくりですよね。後者の家族関係は多少複雑ですが、前者はもっとシンプルにしたと考えてもいいでしょう。どちらも貧乏家族が題材ですが、自分はそんな貧乏家族よりマシなんだと認識したい視聴者の深層心理を上手く突いています。

でも、そっくりながら、前者が後者をパクったと証明はできません。これまた韓国ドラマが巧妙なところです。