なぜ韓国ドラマはウケるのか? マーケティングにおける「パクリ」について考える

2. 興味をつなぎとめる演出

最後まで飽きさせないで見させるのが映画監督、すなわちその商品を買わせるマーケターの手腕です。上映途中に映画館から出られて「つまんね」なんてSNSに書かれたら次はありません。ですので、いかに大げさに舞台設定を描くかが一つの勝負です。

『パラサイト』には貧富、広狭、高低、乾湿、美醜、愛憎、悲哀、成否、生死など、二家族の対比が嫌というほど出てきます。1963年の黒澤映画の傑作、『天国と地獄』もそうでした。もっとも同作品も、米国の犯罪小説が題材とされています。

3. どんでん返し

『パラサイト』の途中までは、金持ち一家のお雇い社員になりすました貧乏家族がハッピーエンド、ハイ終わりみたいな感じですが、ここからからドンデン返しが始まります。

常識的に考えればあり得ない設定ですが、住み込みのお手伝いさんを雇えばさもありなんと想像させるのがうまいところです。しかも、それまではストーリーとほぼ関係のなかったお手伝いさんが主役に転じる巧みさがあります。

このドンデン返し部分、『カメラを止めるな!』とそっくりだと思っているのは筆者だけではないでしょう。

結局、重要なのは「見せ方」

ことほどさように、映画だけではなく、ビジネス一般にパクリがあるのは日常茶飯事です。

そもそもビジネスはオリジナリティだけではできません。グーグルは百科事典、アマゾンは通信販売、フェイスブックは電話帳、アップルiPodはウォークマンの電子化ビジネスですから、ゼロからサービスをスタートしているわけではありません。

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太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。