ゴミ捨てまでの工程は、まさに『名もなき家事』

まず、国立社会保障・人口問題研究所が2019年9月に公開した『第6 回全国家庭動向調査』の結果について見てみましょう。『夫婦の「見えない家事」の遂行の実態』として、『名もなき家事』に関する報告があります。

  • 食材や日用品の在庫の把握…妻88.6%、夫2.5%
  • 食事の献立を考える…妻91.6%、夫2.7%
  • ごみを分類し、まとめる…妻76.2%、夫12.0%
  • 家族の予定を調整する…妻63.1%、夫6.2%
  • 購入する電化製品の選定…妻26.4%、夫34.0%

いずれも「軽い仕事」とは決して言い難い作業だと感じられますが、やはり妻の役割となっている家庭が多いようです。

『名もなき家事』に値段をつけると?

次に内閣府が2018年12月に公表した『無償労働の貨幣評価』を見てみましょう。よく「専業主婦の月給は〇〇万円」などと耳にすることがありますが、その根拠となっているのが、この資料の報告内容になります。
こちらの資料では、主に3つの方法で家事労働のお値段を算出しています。

機会費用法(OC法)

「外で働くことで得られる予定だった1時間当たりの賃金」を男女別年齢別に設定し、それをもとに家事労働に費やした時間を掛け合わせて算出する方法です。
これによれば、女性が家事に費やす時間は年間で1313時間。さらに女性の1年間の家事活動の貨幣評価額は193万5千円となっています。これを時給換算すると、約1470円になります。ちなみに男性で同じ計算をすると、男性が家事に費やす時間は年間で275時間。家事活動の貨幣評価額は50万8千円なので、時給に換算すると約1850円ということになります。