づぼらや道頓堀店前は大阪インバウンドバブルの象徴
しかしながら、2015年以前を振り返ると、状況は全く異なっていたことが分かります。2015年こそ上昇率は+9.8%で大阪府内の第4位でしたが、特段目立った上昇でないことは明らかです。
さらに、2014年以前を見ると、全国どころか大阪府内でも上位10地点に入っていません(2010~2014年まで筆者確認済み)。しかも、2010~2013年はづぼらや前が下落した年も散見されるなど、かつてはごく普通の商業地だったのです。
それが、あっという間に全国でもトップレベルの地価上昇地点になりました。つまり、づぼらや前の公示地価は、来阪外国人観光客が顕著に増加し始めた2015年を境に急騰、いや、大爆騰し始めたことになります。
まさしく、大阪インバウンドバブルの象徴的な地点なのです。
2020年の公示地価は大幅上昇だが…
さて、コロナ禍で不安が増していた今年2020年3月に発表された公示地価はどうだったのでしょうか。
づぼらや前は1㎡当り805万円(前年比+23.8%)と上昇が続いていますが、大爆騰という状況ではなくなってきました。もちろん、地価の上昇が続けば上昇率は徐々に頭打ち傾向が強くなりますので、現時点ではまだバブルが続いていると見ていいでしょう。
ちなみに、上昇率でなく、絶対価格(1㎡当り)を見ると、昨年(2019年)は650万円で大阪府の第10位。今年の805万円がどのくらいの順位か分かりませんが、発表済みの第5位が1,340万円ですから、もしかしたら10位以内は厳しいかもしれません。それだけ大阪の地価上昇が顕著ということです。