ニューズウィーク日本版の記事、「日本の未婚男性は長生きしないのに、女性は既婚より未婚の方が長生きする不思議」によると、2018年のデータでは死亡年齢の中央値が未婚男性66.3歳、有配偶男性81.3歳であるのに対し、未婚女性は81.9歳、有配偶者女性は78.3歳でした(厚生労働省「人口動態統計 2018年」による)。

男性は未婚より既婚の方が長生きなのに対して、女性は未婚の方が長生きになるという事実に驚いた人も少なくないでしょう。ただ、育児中である筆者の周囲では、一瞬驚くものの、なるほど……と頷く人も多くいます。既婚者やシングルマザーに話を聞いてみました。

共働きは加速中…さらに寿命に差がつくのでは?

未婚女性の方が既婚女性よりも長生きと聞きショックを受けたというAさんは、7歳と4歳の子どもを育てています。

「自分の仕事や身の回りのことだけでなく、夫の世話、育児、家族全員分の家事、嫁として義両親や親戚との付き合い、園や学校のママたちとの付き合いや係りの分担など……負担が多過ぎて。いつも疲れています」と結婚後の生活を振り返ります。

厚生労働省の人口動態統計をさかのぼってみると、1990年までは女性も有配偶女性の方が死亡年齢の中央値が高かったものの、2000年以降は逆転したとのこと。その一方、共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、その差が開いていくようになったのは1990年代の終わり頃です(図表1参照)。

図表1:共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移

出所:厚生労働省「共働き等世帯数の年次推移」