それでは、一般消費者である私たちはどうすればいいのでしょう。“大勝負”できる資金を貯めて、相場下落のタイミングを待つべきでしょうか。

筆者はこう考えます。投資タイミングを決めることができ、数千万円の資金を一気に投下できるメンタリティを持っている方は思い切って勝負してもいいと思います。でも、ほとんどの方は投資金額の多寡というよりも、そこまでの投資マインドが醸成されていませんから、一か八かの勝負になりがちです。

ですので、着実さを望み、かつ無理をする必要のない読者のみなさんは、本多翁のアドバイスである「物と金の適時交替の繰り返し」をつみたて投資で実践すればいいのです。

図表1は筆者がつみたてNISAで実践している、過去1年のつみたて投資の投資実績です。

投資対象は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で、米国株式の代表的指数であるS&P500指数をベンチマークとしたインデックスファンド(指数連動ファンド)です。同ファンドの基準価額は同指数に連動しますが、筆者が基準価額を見ることはほとんどありません。

図表1:つみたてNISA、筆者の取引履歴

注:筆者取引口座のデータを元に作成。囲みはこの期間の最多買付口数・最少買付口数/基準価額最高値・最安値(期間:2019年5月〜2020年4月、現在もつみたて中)。


つみたてNISAの年間上限は40万円ですので、毎月3万3,333円ずつ購入しています。この1年間、合計投資額は39万9,996円、買付口数は370,029口、平均買付基準価額は1万810円となります。

執筆時の最新基準価額は1万1306円(6月22日時点)ですから、投資金額に対するこの期間のリターンはプラス4.6%となります。