働くシニアが増え、年金以外の収入の選択肢が広がっています。70歳まで繰り下げとはいかなくても、67歳、68歳と繰り下げることで受給額が増えるのであれば、繰り下げ受給も大いに検討したいところです。
繰り上げ、繰り下げ受給している人はどれくらい?
では、繰り上げ、繰り下げ受給をしている人は、実際どれくらいいるのでしょうか。
厚生労働省年金局が発表している「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、受給開始時期の選択を終了した年度末時点で 70 歳の、老齢厚生年金受給権者の繰り上げ・繰り下げ状況を見てみましょう。
70歳の繰り上げ・繰り下げ受給状況の推移〈平成30年度〉
老齢基礎年金 (総数 1,999,795人)
- 繰り上げ受給・・・9.2%(183,400人)
- 本来・・・89.4%(1,787,573 人)
- 繰り下げ受給・・・1.4% (28,822人)
老齢厚生年金(総数1,767,764人)
- 繰り上げ受給・・・無し
- 本来・・・98.8%(1,745,969人)
- 繰り下げ受給・・・1.2%(21,790人)
注:表中の年度末時点において 70 歳の方については、老齢厚生年金の繰り上げ制度の対象となっていないため、繰り上げ受給は「無し」となっています。
老齢基礎年金に関しては、繰り上げ率が年々低下しています。今後は定年が延長されたことから、この傾向は続くと予想されます。