管理職が恐れる「逆パワハラ」の実態

「部長の発言、パワハラですよね?」

では、具体的に、どのようなことが起きているのかみていきましょう。

  • 上司からの注意や助言に向かって「今の発言、パワハラですよね!」「そういうことをされるのなら、人事部へ報告します」といったような脅しともとれる発言をする。
  • 部署の同僚なども引き入れて、上司に対して集団で無視したり職務命令へのボイコットを煽ったりする

特に前者のようなケースの場合、「パワハラ認定」されることを恐れ、堂々と言い返すべきところを、黙ってしまう管理職も。そして、部下たちの逆パワハラがさらに増長するという悪循環につながる可能性があります。これは上司から部下へのパワハラ同様、好ましくない状態だといえるでしょう。

「会社の業績にも影響」逆パワハラの悪循環

ここで、逆パワハラが企業全体に及ぼす影響を考えてみます。まず、上司・部下間の自然なコミュニケーションが減っていくでしょう。いわゆる「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が行き届かない状態の職場では、作業ミスや不手際が起きやすくなりますね。

社内は本来の業務に加えてミスの対応で手一杯になり、上司は部下の管理まで手が回らなくなっていきます。作業効率や職場の士気は低下し、それが業績不振につながる恐れも。