頼りにしていた実母から告げられた「つわりは怠けの証」のひと言

Aさんが妊娠したのは、33歳の時。妊娠検査薬を使う前から「こんなに体調が悪いなんておかしい、絶対に何かある」と思うほど、酷いつわりに悩まされていました。妊娠がわかってからも、食事をほとんど摂れない時期が続き、ご主人の勧めもあって、派遣契約の満期を待たずに退職を決めたそうです。

退職した後は、起き上がることすらきつい毎日。あまりの辛さに、泣きつくような思いで、実母へ電話をかけたといいます。娘の体調を心配して優しい言葉をかけてくれると思いきや、実母がAさんに欠けた言葉は、意外なものでした。

「つわりなんてそんなもの、嫁勤めをしていたら、気持ち悪いと感じる暇もないよ!おばあちゃんが妊娠中だからって特別優しくしてくれるような人じゃなかったせいで、私は大きなお腹を抱えながら、いつも気を張っていたからね。あんたは仕事も辞めて義理の両親の世話もせずに怠けているから、そんな風に思うんじゃない?」

いわゆる「長男の嫁」であるAさんのお母さんは結婚以来、Aさんの祖父母と同居して、娘の目から見ても相当の苦労をしてきている人でした。つい数年前に祖母が亡くなるまでは何かにつけて義両親の顔色を伺う毎日で、普段から祖母に対する愚痴をAさんにもこぼしていたぐらい。

「母からすれば、次男の嫁で、義実家も遠方にあるために年に数回程度しか義両親と顔を合わせない私は、ずいぶんと楽をしている嫁に見えたのかもしれません。だからといって、このタイミングで言わなくても…。今思えば、私の結婚前に母が度々『自分は嫁として若いときから苦労を重ねていたのに、同じ年頃のあんたは自由に遊んで楽しく暮らしていて羨ましいわ』と冗談めかしてぼやいていたのですが、もしかしたら、あれは本心だったのかもしれません。」と語るAさん。

もしかしたら、Aさんのお母さんは、自分より恵まれている娘に対して、ずっと嫉妬心を抱いており、妊娠報告を機に本音がでてしまったのかもしれませんね。