「自分の手元に今いくらあって、目の前にある欲しいものを買うと残りがいくらになるのか」
当たり前のことのように思えますが、こんな当たり前のことが身につかないまま大人になり、お金で苦労する人も少なからず存在するのが現実。自分の生活を身の丈にあったものにコントロールでき、必要に応じて貯蓄をし、借金で首が回らなくなるようなことのない人生を送ってもらうためにも、子どものうちにおこづかいのシステムで慣れさせておくべきと言えるのです。
「お金って無限にある!」と思っている子が増えている?
正常な金銭感覚を身につけさせるためには、“お金の流れ”を子どもに理解させる必要があります。ひと昔前までであれば、子どもと一緒に買い物へ行ったときに、現金をやり取りする光景を見せてあげることができました。
例えばスーパーへ買い物に行ったとします。お会計をするためにレジへ行くと、目の前で自分が欲しいと言って買ってもらったおやつが会計済みのカゴへと移され、そのおやつを含めた合計金額を親が支払う。自分が欲しいと言ったものに対して、親がお財布の中からお金を出して支払いをしている姿を間近で見られました。
もちろん今でもその仕組み自体に変化はないのですが、現在は“キャッシュレス”が主流となりつつある世の中。そう、子どもの目の前で、現金のやり取りをする機会がグンと減ってしまったのです。
お金のやり取りが具体的なかたちで子どもに見えないため、「お金って何? 欲しいって言えばいくらでも出てくるんじゃない?」という感覚に陥る子どもも。親が完全キャッシュレス派の家庭で育った子どもは、もしかしたら紙幣の種類によって価値が変わることなどもわからないまま大きくなるかもしれません。
「お金は欲しければいくらでも出てくる」という感覚のまま大人になってしまうと、将来子どもの人生に悪影響を及ぼす可能性もあります。おこづかい制度を活用して、“お金の価値”について学ぶ機会を設けてあげることも必要でしょう。