シーズンオフに藤浪晋太郎選手の新型コロナウイルス感染問題はあったものの、球団関連の質問が例年より減るであろうという点では、今年の阪急阪神HDの株主総会は静かに進むかもしれません。
収益の柱であるエンタテイメント部門が苦戦必至
プロ野球公式戦の開幕が株主総会後になるというラッキーな(?)面はあるものの、一方で新型コロナ問題は阪急阪神HDの経営に暗い影を落としています。それは、阪神タイガースの属するエンタテイメント部門の収益問題です。
阪急阪神HDの事業は都市交通(鉄道中心)・不動産(ビル・マンション等)・エンタテイメント(阪神タイガース及び宝塚歌劇団中心)が3本柱です。
2020年3月期の部門別営業利益は、都市交通401億円、不動産415億円、エンタテイメント117億円ですが、新型コロナの影響が既に都市交通事業で▲47億円、エンタテイメント事業で▲30億円生じています。
特にエンタテイメント部門は、2020年3月期の段階で既に対前年度比約2〜3割の減益を余儀なくされています。そのため、緊急事態宣言が出された4月、5月を含む2021年3月期は、さらなる減益となる懸念が大きいでしょう(2021年3月期の予想決算は非開示)。
阪神タイガース・甲子園球場も宝塚歌劇団も厳しい
阪神タイガースのホームである甲子園球場は阪急阪神HD子会社の阪神電鉄が所有しており、球場関連の収益の大半を取り込むことができます。しかし、例年より約2か月半遅れての開幕となり、さらに当面は無観客試合で開催されるため、しばらくはチケット収入やグッズ販売、飲食からの収入がほぼ得られなくなります。