また春の選抜高校野球に続き、夏の全国高等学校野球選手権大会も中止となりました(選抜出場予定校による交流戦を開催、ただし関係者のみの入場予定)。阪急阪神HDの収益には欠かすことができない、阪神タイガースと甲子園球場からの収益が今期は当面見込めない状態です(注:高校野球の球場使用料はなし)。

また、エンタテイメント部門は「阪神タイガース・甲子園球場」と「宝塚歌劇団」を中心に構成されていますが、宝塚歌劇団も2月末から公演がストップしており非常に厳しい状態にあります。

こうした状況を受け、今年の株主総会ではエンタテイメント部門に投資家の厳しい目が向けられるのではないでしょうか。

注目される今期のエンタテイメント部門の収益状況

新型コロナウイルス問題を受けて、エンタメ業界全体が苦境に陥っています。エンタメ業界の上場会社はそれほど多くない中で、阪神タイガース及び宝塚歌劇団という二大優良コンテンツを持ち、エンタテイメント部門で年間100億円以上の営業利益を上げる阪急阪神HDは非常にユニークな存在です。

エンタメ業界の今後を占う上でも、阪急阪神HDの2021年3月期のエンタテイメント事業がどのような業績になるのか、今後の推移が注目されます。

石井 僚一