「ジョイフル」も「ロイヤルホスト」も、はっきり言って大リストラであることは間違いありません。今後、他のファミレスも同じような閉店計画や事業縮小に踏み切るものと考えられます。

ただ、冷静に考えると、これらファミレスの閉店計画や時間短縮は少し異常です。なぜならば、コロナ禍で甚大な影響を受けたのはファミレスだけではなく、ファストフード(牛丼、ハンバーガー、回転寿司、麺類など)も同様だからです。

しかしながら、少なくとも現時点において、ファストフードでこれだけの大規模閉店や営業時間変更を発表したケースは見られません。やはり、ファミレス特有の大きな構造的問題があると考えるべきでしょう。

そこで、ファミレスの特徴やアドバンテージなどを考えながら、今回のコロナ禍による影響を考察してみます。

1フロアーの広大な店舗による高賃貸料が大きな足かせに

ファミレス店舗の最大の特徴は、その広さです。しかも、ほぼ全てが1フロアーです。これは言い換えると、賃貸料が非常に高いことを意味します。

確かに、ファストフードでも1フロアーの広大な店舗を構えているケースもありますが、圧倒的な少数派であり、その多くは小面積店舗と言えましょう。

また、マクドナルドのように総面積は大きくても、複数フロアー(例えば1階~3階)になっている店舗がほとんどです。そのため、売上動向を見ながら店舗面積を変動することができます(例えば3階のみを閉鎖・撤退する等)。

しかしながら、広大な1フロアーのファミレスにはこれができません。今回のような売上激減時には、最大の固定費の1つである賃貸料が大きな負担になるのは明らかです。売上が激減する中で、最大の特徴であった広々とした空間が、大きな足かせになったと考えられます。