相続トラブルの3割が「遺産額1000万円以下」。自筆遺言の紛失・改ざん防止へ、新制度が7月スタート

どれくらいの人が遺言書を作っているの?

では、現在、いったいどれだけの人が「遺言」を書いているのでしょうか。日本公証人連合会ホームページによると、遺言公正証書の作成件数は、2008年に7万6436件だったものが、2019年には11万3137件に増えています。この10年近くの間で約1.5倍に増えていることになりますね。

自筆証書遺言は遺言者自身が自由に作成できるものなので、正確な作成件数のデータはありませんが、司法統計で「家庭裁判所で検認を受けた件数」をみると、以下のように推移しています。

  • 2005年・・・1万2347件
  • 2011年・・・1万5113件
  • 2012年・・・1万6014件
  • 2013年・・・1万6708件
  • 2014年・・・1万6843件
  • 2015年・・・1万6888件
  • 2016年・・・1万7205件
  • 2017年・・・1万7394件
  • 2018年・・・1万7487件

(※2)「家事審判・調停事件の事件別新受件数―全家庭裁判所」 司法統計年報(平成30年度)法務省

2011年以降をみるとほぼ横ばいですが、一部パソコンでの作成が認められて簡易化がはかられたことや、今後は法務局での保管が可能となり紛失や盗難のリスクが減ることなどを考えると、今後は自筆で遺言書を作成する人が増えていくかもしれません。

いずれの様式で作成する場合も、遺言者本人に判断能力があり、周囲と意思疎通ができていることが大前提となります。元気なうちに、心づもりをしておくとよいかもしれませんね。

【参考】
(※1)「53 遺産分割事件のうち認容・調停成立件数―審理期間別代理人弁護士の関与の有無及び遺産の価額別―全家庭裁判所 」司法統計年報(平成30年度)法務省
遺言」デジタル大辞林(小学館)コトバンク
法務局における自筆証書遺言書保管制度について」 法務省
法律行為に関する証書作成の基本手数料」日本公証人連合会
(※2)「2 家事審判・調停事件の事件別新受件数―全家庭裁判所」 司法統計年報(平成30年度)法務省
遺言公正証書作成件数について」日本公証人連合会ホームページより

池上 翠

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早稲田大学第一文学部史学科卒。学参系編集プロダクションなどで校正・校閲の経験を積みフリーランスに。
尊敬する人物は伊能忠敬・羽生善治。