ということで、経済状況がころころ変わる中、もし買うのであれば将来的に売れる物件を視野に入れるべきですが、実際に希望金額で売れるかどうかは売ってみないとわかりません。筆者の経験では、不動産価格に平均価格やトレンドは存在しますが、結局物件ごとに千差万別でなかなか一物一価にはなりません。

売り手があっての買い手、買い手があっての売り手です。売却事由・購入事由はバラバラで、販売価格だけで決まるものでもありません。目に見えないご縁やインスピレーションも存在します。

参考:東京都23区南部(品川区・大田区・目黒区・世田谷区)のマンション取引価格事例

注:REINSのデータを参照(縦軸は物件の1平方メートル価格、横軸は成約時期、その他条件は過去3カ月間のデータ)

おわりに

ということで、ヤドカリが宿を替えていくように、自宅用不動産を見つけられるなら生活状況に応じて住み替えていくのも一つの考え方です。高ければ高いほど価値があるというのも一つの考え方ですが、家族やパートナーが8割方ハッピーな物件に住むのがベストなのでしょう。100点満点はそうないわけですし。

コロナ禍で居住用不動産も商業不動産もその価格動向が気になるところですが、筆者の考えでは自宅購入は不動産投資の一種でもあるが、必ずしもそれだけではないという微妙な立場です。

購入か賃貸か、どっちがいいの?という疑問をお持ちの方には答えにならず恐縮です。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)