子供の学校も至近でしたし、多少不都合はあっても不満はありませんでした。加えて、その前が築40年位のレトロな社宅住まいでしたので、購入した自宅がパラダイスのように感じたものです(その家の床暖房には感動しました)。

自宅を購入したのは、賃貸物件は自分の資産にならないこと、希望地域の物件が限られること、家賃のキャッシュフローがローン以上になること等、諸般の問題があったからです。ですが、同条件の賃貸物件が多数あれば、賃貸を考えなかったということはありません。

高い家賃を払えば購入物件以上のものもあるのでしょうが、予算が限られている中では無理は言えないというのが実情でした。

完璧な家はないし、不動産価格は物件ごとに千差万別

さて、その自宅。振り返って見れば、どの家も不思議なご縁でつながっています。最初に記憶のあるのは幼稚園に入る前、京都・舞鶴市の父親の勤務先の社宅住まい。正直、ほぼ覚えていません。次に北海道・小樽市ですが、冬はスキーばかりの毎日。

そして兵庫県、千葉県、海外を挟んで東京都数カ所。いずれも親か自身の仕事の関係です。好き勝手に選ぶ余地があったかと言われると、そうではありません。結果的に“そこ”に落ち着いているだけで、なんとなく人生の流れの中での”ご縁”を感じて住まいを決めていたような気がします。

加えて、購入物件でも賃貸物件でも完璧な家というのはなかなかありません。都心の高層マンションの最上階のペントハウスであれば日当たりも眺めもいいかもしれませんが、階下に降りるのに時間はかかるし、ゴミ出しも大変です。まずもって億ションですので、限られたお金持ちしか買えません。

戸建てもメンテナンスや近所への配慮が必要で、維持コストがかかります。賃貸物件は礼金・敷金を入れたり、保証人をつけたりしないと借りられませんし、2年ごとの更新料も馬鹿になりません。それに、駅チカ、日当たり、駐車場付きなど全部ないとダメなどと言い出すと、キリがありません。