HSBC投信が描くメイン(中立)シナリオは、コンセンサス予想(市場予想)よりも大幅に弱気な内容になっている。これは、感染拡大の封じ込め策から脱却する道筋について、コンセンサス予想が当社予想よりもはるかに楽観的な前提を置いているためであると考えられる。

HSBC投信は、この先予想される消費者行動や企業行動には、下振れリスクがあると考える。たとえば、最近の調査によれば、人々は新型ウイルスに感染することを心配しており、この先の消費行動も慎重になる可能性が高い(図表2、図表3)。さらに、新型コロナウイルス封じ込め策の実施期間が予想より長引き、景況が一段と悪化するリスクがあると当社では考えている。

 

一方、「中国経済は、今後数四半期にかけて、他の国/地域を大幅にアウトパフォームする」というコンセンサス予想は妥当とみられる。これは、中国は新型コロナウイルス拡大の抑制に成功したとみられ、他国に先駆け経済活動を再開しつつあるためだ。経済活動の回復は、大気汚染度指数が通常の水準に近づいていること(図表4)、また企業の購買担当者指数(PMI)が力強く回復していること(図表5)に反映されている。