銀行の融資基準が新規先に厳しく、既存先にはそれほどでもない理由

今回の新型コロナ不況では、急激な売上の落ち込みで資金繰りに窮している借り手が多いのでしょうが、収束宣言が出れば比較的順調に売上が戻る企業も多いでしょう。それなら、なおさら借り手の回復を待つべきでしょうね。

銀行は「冷たい」という評判を気にする

一般に民間企業は評判を気にしますが、銀行も例外ではありません。借り手企業は取引銀行を決める時に、「あの銀行は、借り手が窮地に陥っている時には優しく見守り、必要に応じて救いの手を差し伸べてくれる優しい銀行だ」という評判の銀行を選びたがるはずですから。

したがって、ある企業を見殺しにしたことによって「あの銀行は借り手が窮地に陥るとすぐに見捨てる冷たい銀行だ」という悪評が立つと、他の企業が取引してくれなくなってしまうからです。

余談ですが、筆者は日米安全保障条約を心強く思っています。日本が外国に攻め込まれたら、米国が必ず守ってくれると思います。それは、もし米国が日本を見殺しにしたら、世界中の国が「米国は冷たいから、同盟関係を結ぶのはやめよう」と考えてしまうからです。

これは、銀行や米国が「良い人」だからではなく、「もっと稼ごうとガメツく考えればそうするはずだ」、ということですね。経済学では、暖かい心ではなく冷たい頭脳で考えることが大事ですから。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
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(雑誌寄稿等)
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