銀行の融資基準が新規先に厳しく、既存先にはそれほどでもない理由

たとえば既存の融資先が小幅の赤字に転落したとします。「新規先がこの決算書を持参したら、融資を断るだろう」と思いながらも、銀行は融資の借り換えに応じる場合が多いのです。

理由は色々ありますが、借り手が倒産すると「銀行の回収額が激減する」「銀行の評判が下がる」「地域経済に悪影響が出る」といったことを懸念するから、といったところが主でしょう。

「銀行の回収額が激減する」というのは当該借り手と銀行の1対1の関係を考えたものですが、「銀行の評判が下がる」「地域経済に悪影響が出る」というのは銀行とその他の借り手の関係も併せて考えよう、ということですね。

借り手の倒産で銀行の回収額が激減しかねない

銀行が赤字の借り手に対して期日通りの返済を求めると、借り手は現金がないために破産する、といったことになりかねません。

そうなると、まだ使える設備機械がスクラップ業者に二束三文で叩き売られたりするので、銀行の回収額は非常に小さくなってしまうかもしれません。

そうであれば、返済を待ってあげたり返済額と同額を融資してあげたりして、借り手の回復を待つ方が遥かに銀行の利益になる(損が減る)かもしれません。

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。
塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
老後破産しないためのお金の教科書
経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体
一番わかりやすい日本経済入門
日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由
(雑誌寄稿等)
Facebook、NewsPicks、アメブロ等にて適宜ご紹介