「パワーカップル扱い」に躍らされて身の丈以上の買い物

数年前から2人の収入を合計することで単独借り入れよりも高額借入れが可能なペアローンを利用して、都内高級高層マンションを購入する若い世代のパワーカップルの話題がよく取り上げられるようになりました。

最近は、専門職者の失業や大手企業でさえ減給やボーナス減額が予想されるなか、ペアローン返済持続が可能なのかという懸念の声も上がり始めました。

もちろん、不況にびくともしない堅実な「パワーカップル」も多いのでしょう。そういう夫婦にはどんどん高い購買力で経済を活気づけていただきたいです。

しかし、一部の夫婦は「パワーカップル扱い」に躍らされて、無理な計画で高額のペアローンを組んでいるのかもしれません。今後、その返済で困ることがないといいのですが。

大きなお世話!と叱られるかもしれません。しかし、楽天的過ぎる将来の見通しで身の丈以上の家を、サブプライム住宅ローンで購入して痛い目にあったアメリカ人夫婦をなぜか思い出しました。

ところで、前出のドクターカップル、いくらレイオフや減給になったといっても医師ですから、それなりの収入はあることでしょう。でも、彼らにも家のローンがあり、さらに2人とも学生ローンがまだ残っていて出費も多いようです。

しかし「厳しいのは我々だけではない。今は、夫婦協力して乗り切るしかない」と、苦笑する2人。本物の「パワーカップル」の強さを感じました。

参考

(※1)“Powell says GDP could shrink more than 30%, but he doesn’t see another Depression”CNBC
(※2)「米コロナ失職の第2波、あらゆる職種に迫る」THE WALL SYREET JOURNAL
(※3)『夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書)』橘木 俊詔・迫田 さやか(著)
(※4)『「パワーカップル」世帯の動向(1)』ニッセイ基礎研究所
(※5)『高い購買力・情報発信力…企業が熱視線 共働き高収入夫婦「パワーカップル」』産経新聞

美紀 ブライト