コンドームの生産量減少で入手困難になりつつある

先進国から見ればコンドームは単価が安いため、生産拠点は人件費の安い新興国に偏りがちです。しかし、その新興国でもCOVID-19の影響拡大により、生産拠点が次々と一時閉鎖を強いられています。当然、生産量は減少します。

ただ、生産が減った場合、(工場の所有者である)先進諸国へ優先的に配分されるため、一番しわ寄せがくるのが新興国や貧困国です。

新興国や貧困国での人口増加による間接的影響

この他にもいくつか理由が考えられますが、コンドーム等の利用が大幅に減っていることは確かのようです。そして重要なことは、こうした新興国や貧困国においては、コンドームやピルを使用する慣習が完全に定着していないということです。避妊具や避妊薬が普及し始めてまだ10年にも満たない地域や国も珍しくないはずです。

こうした国々では、多くの人々がコンドームを使用しないことに何ら違和感を覚えていないのではないでしょうか。いずれにせよ、避妊具や避妊薬の利用が減少すれば、出生率が大きく上昇することは間違いありません。

新たな命の誕生は、本来なら喜んで祝福するべきだと考えます。しかしながら、こうした地域、とりわけ、貧困国での人口増加は、決して手放しで歓迎できない部分も多くあります。長期的に見れば、日本にも間接的な影響は不可避となるでしょう。

それは、経済援助の範囲に収まるならともかく、非衛生環境による新たな疫病の発生や、内戦など政治事情による膨大な難民問題などが考えられます。このCOVID-19の影響による人口増加懸念は、問題が深刻化する前に何らかの手を打つ必要がありそうです。