実際、インドネシアの国家家族計画・人口庁が家族計画プログラムの参加者の避妊状況を調べた結果、今年の3月は前月に比べ、コンドームやピルの使用がそれぞれ約4割減になったと報じられています。

しかし、なぜCOVID-19が猛威を振るうと、コンドームやピルの使用が減少するのでしょうか? 主な要因を見てみましょう。

外出禁止や自粛でコンドーム等を入手する機会が激減

近所のコンビニやドラッグストアで簡単に買える日本など先進国と違い、多くの新興国や貧困国では販売する店はまだ少なく、しかも家から遠方にあるケースが多いようです。数多く購入した近所の人から必要な時に、その都度購入することも珍しくないといいます。

そのため、今回の外出禁止や自粛により入手する機会が激減したことは明らかです。また、感染のリスクが高いために外出すること自体を恐れていることも十分考えられます。さらに、コンドーム等を販売する店も休業を強いられている可能性が高く、入手困難に拍車をかけていると考えられます。

収入減少でコンドーム等を購入する余裕がない

日本では想像し難いかもしれませんが、新興国や貧困国においては、コンドームは決して安い買い物ではありません。日本での単価は1個当たり50~100円程度と見られますが、これら元々収入の少ない国ではその何十倍もの価値があると考えられます。また、ピルに至ってはさらに高価格となります。

COVID-19で経済活動が停止したことで収入の大幅減少を余儀なくされた人々が、コンドームやピルの利用を控えても不思議ではありません。