またFC出店がほとんどであり(2020年3月期のFC比率96.1%)、同社は商品企画や店舗企画に特化する高収益かつ身軽な企業形態です。そして商品企画に特化できる体制が、ワークマンプラスを生んだバックグラウンドとなっています。

さらに、ワークマンプラスのヒットがあっても、従来とそう変わらない年間36店の出店に留めているなど(新規開店数推移:2018年3月期30店、2019年3月期19店、2020年3月期36店)、堅実な事業運営を続けています。

外出自粛緩和後にアウトドアシーズン本格化、ワークマンの成長は加速するのか?

ワークマンの店舗はFC店で、本部は商品企画などに特化し、実質的に借入金ゼロで400億円を超える現預金を豊富に持つ会社、というのは意外感があるのではないでしょうか?

実はワークマンは群馬県伊勢崎市に本社を置く地方企業です。上場する地方企業は手堅い経営を行う企業が多い傾向にありますが、ワークマンもその1社と言えるでしょう。

堅実な企業経営を行う中でも、ワークマンプラスの人気化により同社の売上・利益は2年で1.5倍以上の伸びを見せています。また、新型コロナ影響下の4月も成長が続いており、5月の外出自粛緩和後はアウトドアシーズン本番を迎えます。

緊急事態宣言が解除されつつある中、アウトドアシーズンに向けてワークマンの成長はさらに加速するのでしょうか。節目の株価10,000円を回復できるのかという点も合わせて注目していきたいと思います。

ワークマンの過去1年の株価推移

石井 僚一