子「聞きづらい」、親「教えたくない」

以上、「離れて暮らす親が元気なうちに確認しておきたい4つのこと」を挙げてきました。

ここからは「元気なうちは聞きにくいこと」について触れていきたいと思います。

それは「お金」の話。

「年金をいくらもらっているのか」「月の生活費はいくらくらいか」、そして「資産はどれくらいか」「何を誰に相続させたいのか」

こうした生々しいお金の話は、親が元気なうちは聞きづらいもの。また、親の側も健康状態に自信があるうちは子どもに教えたがらない、というケースが多いようです。筆者の親もそうでした。

とはいえ、子の側はいずれ知ること。まして親に入院や介護が必要になった場合に避けては通れない話題です。

筆者は若い頃、ほぼ同時に、両親を別々の病院に入院させていた時期がありました。

入院の際、高額な保証金の預け入れを求められたときのこと。会話もままならない状態の父から現金や保険証の保管場所を聞き出すことは、思っていた以上に大変でした。

この入院騒動をきっかけに、筆者の親は貴重品の置き場所・健康状態・資産状況などを、娘に渋々ながら共有するようになりました。

親の側が心身ともに元気なうちに、日頃から話し合える関係を築いておけるとよかったのかもしれません。