この中で住居費が13,656円となっている点は注意したい。家賃が13,656円の家などあるだろうか。これには実は持ち家比率が関係している。

年齢層が上がるにつれて持ち家の人が多いのである。日本人は不動産を保有したがる傾向があり、多くの方が家を購入してきた。

これが顕著にわかるのが持ち家比率である。年齢が上がるにつれ持ち家比率が上がる。

60歳以上の世帯で、実に8割近い世帯が持家派となっている。

しかし、年齢層が下がるにつれた比率は下がってくる。同じ世代でも年々持ち家比率が下がってきているのがわかる。

若いうちは家をまだ買えないという見方も出来るかもしれないが、最近は家を持たないという考え方をする人も増えてきているということも言える。

重要なのは、「持ち家、賃貸のどちらが良いか」ということではなく、今後ご自身の住まいを賃貸で行くという考えの場合には、そもそも住居費が約1万4000円で足りるわけはない。したがって、その分を足さないと上記支出のシミュレーションがおかしくなる。

ゆとりある生活にはいくら必要か

生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年)」では、「ゆとりある老後生活費」に関するアンケートがる。ゆとりある老後を送るためにはいくらくらい必要かヒアリングしたアンケートである。

同アンケートによると、毎月平均36万円程度ないと老後にゆとりある生活を送ることはできないようだ。