部下の適正を見極められないのはダメ上司?

また別の金融機関で管理職として働くDさんは、部下に言われた一言で頭を抱えていると言います。

「気の強い女性の部下に、『部長は部下一人ひとりの得手不得手がわからないんですか? 業務分担を明確にしてくれないとこちらがやりづらいです』と怒られてしまった。彼女は仕事がよくデキるけど、ほかの社員に足を引っ張られたり、もう少しというところで成果を横取りされたりして不快な思いをしてきたのだと言う」と明かします。

「そういうところは何回か見てきたので、彼女の気持ちは察するけれど、得意・不得意で部下の業務を割り振るというのがどうにも納得いかず…。ニガテなことにも取り組ませるべきだと思っていたし、得意なことばかりやらせていても成長につながらないと思う」とため息をつきます。

それに対して部下は、得意なことを任せたほうが本人のモチベーションが上がり、会社的にも効率的なリソース活用ができる。成長の機会を奪うわけではなく、得意なことでみんなが成果を出したほうが会社のためでは?という考えなのだと言います。

「半分納得できるけど、半分納得できないような複雑な気持ち」と浮かない面持ちのDさん。このあたりも、ベテラン社員と若手社員の考え方のギャップなのでしょうか。

おわりに

若手社員は仕事に対して意外とシビアな目を向けていることがわかりました。また、上司にも言いたいことをハッキリ言うようになっているようです。一方、ベテラン社員は自身が若手の頃にはそういう経験をしていないのでびっくりしてしまう、という話もありました。

こうした意識の差が大きくなるのを放置しておくと、トラブルの元にもなりそうです。ギャップに気づいたら早めの対処が必要かもしれません。

大塚 ちえ